アメリカン ガール ドール文化
クリスマス商戦も真っ只中。
日本では信じられないくらいにアメリカで女の子に浸透しているのが、
”アメリカンガール”です。
日本にいる頃は見た事すらなかった。
これがアメリカの少女達のハートと親達のお財布をぎゅっと掴んで離さない人気商品。
バービーよりも人気です。
その商品展開の広さと言ったらもうびっくりです。
どこから話しましょうか・・・。
人気の理由の一つは自分にそっくりな人形を選べる事。
ラインナップはもっともっと沢山あります。
髪の毛や肌、目の色など幅広い展開、アジア系もいます。
さらに、例えば病気で髪の毛がない子には同じようなアレンジもしてくれます。
お人形さん本体は115ドル(本日のレートで1万3千円ちょっと)。
これだけで親のお財布は緩まないでしょう。
3秒に1体売れているというこの人形、その先のマーケティングがすごいんです。
洋服がたっくさんあるのは容易に想像つきますね。
先ほどの写真のように人形だけではなく、
人間の洋服もお揃いでパジャマからドレスまで多彩な展開です。
さらにこのアメリカンドール、家具から小物まで、確実に我が家よりも物持ちです。
いろんなお家やシアター、病院、レコーディングスタジオ、サロンもお持ちなのです。
人形を可愛いと思わなくても(失礼!)小物はちょっと小さくて可愛い。
アクセサリーやバッグ、化粧品、カメラセット、バイオリンやテニスラケット、
骨折した時のギプスから車椅子、糖尿病のインシュリンキットまで持ってます。
人形はさらにペットを飼うこともできて、そのペット用のベッドや小物まで入手可能。
オンライン用のカタログは分厚くて見ごたえあり!
バービーよりも大きめなので、小物がリアルでおもちゃっぽくないのです。
このアメリカンガール、元は本から発展しているので、
色々な女の子のストーリがあり
その本が学校の図書室などにたっぷり置かれています。
裕福な子からホームレスまでいるそうです。
子供達はその女の子に小さな頃から馴染みができ、一緒に成長して行くという仕組み。
人形を持っていないのに、親戚からクリスマスに洋服が送られてきた人もいます。
それだけ一般的で、女の子なら持ってるだろうと思われているみたい。
全米主要都市にはお店もあります。
以前、クリスマスシーズンにニューヨークのお店に行って、
窒息するかと思うくらいの騒ぎでした。並んで買う気にもなれなかった。
ベイエリアにも数年前に開店しまして、知人は朝の5時から並んでました。
そこからは真っ赤な紙袋を持った女の子達が幸せそうな顔をして出て来ます。
人形本体と小物等を揃えると容易に600ドル投資してしまうと言われています。
子供達はお気に入りの人形と一緒にお出かけができるような配慮も色々。
お店で行われるバースデーパーティーにはお人形さん用の椅子と食事も用意されます。
うちは人形を持っていない少数派なのですが、
お友達が沢山持ってるので貸してくれました(娘よ、すまぬ!)
とても可愛らしいカフェがお店の中にあり、
小さめの椅子に座ってアフタヌーンティーが楽しめます。
提携ホテルではアメリカンドール用のベッドまで用意してもらえるそう。
お店には人形用の病院もあります。
受付をし、診察をしもらい、場合によっては入院処置。
退院時には診察着とID、診断書、退院祝いの風船などが付いてくる。
また、人形用のピアスの穴あけもこちらでしてくれます。
人間用 ヘアサロンのある店舗もあり、
人形とお揃いの髪型にセットできるのはもちろんのこと、
ネイルやスパでのなんちゃってフェイスマスクのサービス、写真撮影も受けられます。
本が沢山あるのは触れましたが、
さらにアメリカンガールマガジン(雑誌)、DVD、映画もありますよ。
"Spoiled!"甘やかしすぎ〜と思われるアメリカンガールカルチャー、
これまでに人形は29ミリオン(2千9百万体)の売り上げ、
本はさらに多くて153ミリオン売り上げています。
お店を訪れる人は年間80ミリオン。もう一大産業ですね。
これはお年頃の女の子を持ったら避けて通れません。
時間に余裕のある人はウェブサイトを見てね。