パロアルトのテストスコア
教育熱心な人が多く集まる事で知られているパロアルトですが、
アメリカは広すぎて一体どのくらいの位置にいるのかというのが
なかなかわかりません。
共通テストという名前のものはいくつか存在するものの、
それすらも受ける学校と受けない学校があり、比較しづらいのが現状です。
パロアルトディストリクトではCAASPと呼ばれる共通テストを受けますが、
テストを拒否する事が許されるので全員が受けている訳ではないのです。
その他のテスト準備に忙しいパロアルト高校のジュニア達は
90%以上がそのテストを放棄します。
以前は小学校の先生が一部の英語が弱い子供達(ELDクラス)と親を呼んで、
テストの日はどこかへ遊びに行くように指示した事もありました。
学校の平均点数を下げたくなかったからです。
(この指示は筋違いで、アジア系が増えた最近ではELDクラスの子の平均点の方が
通常の子供達の平均点よりも高いという現象が起きています。
数学だけではなく英語の点数も良かったりするのですよ。ELDクラスなのに。
つまり会話はダメだけど読み書きはできるのです。
・・・うんうん、日本人ならよくわかりますね。)
そんな昨今、一番学力を比べるのに適していると思われるのが、
SATとACTテストの点数です。
これは大学入試に必要となるテストなので
全米の高校生ジュニアやシニアがどちらかあるいは二つを2〜3回は受けています。
パロアルト公立校の大学進学率は10割近いので、CAASPよりも受験率が高いです。
その平均点数がどのくらいなのかまとめた資料に遭遇したので
ここに紹介しておきます。
パロアルトがアメリカの中でどのくらいの位置にいるのかがわかります。
PAUSDはPalo Alto Unified School Districtの略、パロアルトの学校区、教育区です。
一番上の図は過去5年分のSATテストスコアをまとめたもの。
カリフォルニアの平均が500点前後なのに対し、パロアルトは650点前後、
特に赤い線の数学のスコアが飛び抜けて高いのがわかります。
2番目の図はカリフォルニア州平均、全米平均とパロアルトの平均を比べたもの。
科目は英語のリーディング(読解)と数学。
パロアルトの点数が飛び抜けて上にあるのがわかります。
他の二つは重なっていて、ほぼ同じような点数です。
こちらのスコアは偏差値ではなく、Percentile (パーセンタイル、%)を使います。
説明が長くなってしまうので簡単にすると、
自分より下が何%なのか表していると思ってください。
25%の人は下に25%、上には75%も人がいるのですが、
それでも全米平均の75%の人よりも高いスコアを取っているという事です。
こちらの上の図も先ほどと同様にSATスコアを
カリフォルニア州、全米と比較したもの。作文と全ての教科の平均です。
ここでもパロアルトの中では25%に位置づけされている人が、
全米平均では上の方、75%の人よりもいい点数を取っています。
一番下の図は人種ごとにテストスコアを分析したものです。
英語の読解、作文、数学ともにアジア人がトップです。
続いてOther・その他の人種。ハーフの人もここに入っていると思います。
次いで白人、ヒスパニック、黒人の順です。
この構図はお馴染みですね。どこに行っても大抵アジア人のスコアが高いです。
パロアルトの学力は高く、特に数学が強いという事がデータで裏付けられました。
やはりここは理系の聖地なのですね。
シリコンバレーの実情が少し垣間見れたかと思います。