ベイエリアのユースオーケストラ

芸術の秋らしい話題をひとつ。

クラシックとは縁遠いロックンロールなアメリカですが、

シリコンバレーには子供達のオーケストラが数多くあり、

案外レベルも高いのでご紹介します。

 

 

エリアで随一の実力オーケストラはこちら。

San Francisco Symphony Youth Orchestra、通称YO。

世界的に有名なサンフランシスコ交響楽団所属のユースオーケストラです。

実力派なので高校生が中心。バイオリンだけ妙に若かったりという事はあります。

スポンサーが沢山ついているのでそんなにお金もかからない。

なんといってもSF交響楽団の本拠地、

Davies Symphony Hall・デービスシンフォニーホールで演奏できるという

とっても魅力的なオーケストラで垂涎の的です。

San Francisco Symphony - Youth Orchestra

 

YOがダントツの実力なので、あとの所はなかなか甲乙つけがたい。

まずは2つご紹介。California Youth SymphonyとGolden State Youth Orchestra。

どちらもパロアルトに本拠地を置くオーケストラで、

小さい子から大きい子まで複数のランクのオーケストラグループがあります。

以前はCalifornia Youthの方が上手だという噂でしたが、

今年はGolden Stateだと言う人も。

一番上のレベルのオーケストラのコンサートマスターがいいからだとか、

天才少女が入ってるからだとか色々言われてます。

Golden Stateは指揮者が変わって只今色々と変革中です。

昔はEl Camino Youth Symphonyという名前で

ロシア系の人が始めた団体を中国系の指揮者が代わり

(この人、度々私がブログに書いている山本事件で、反日派として演説してた人)

ものすごく中国カラーが出てきました。

チャイニーズニューイヤーのコンサートをしたり、北京のオーケストラと交流したり。

 

いずれも大きなオーケストラです。

California Youth Symphony : Homepage

Golden State Youth Orchestra – Golden State Youth Orchestra

 

少し前はここが一番上だと言われていました。

Palo Alto Chamber Music、通称PACO(パコ。英語の発音はペィコ)

http://pacomusic.org

ここはChamberなので弦楽器だけ。金管楽器などはありません。

少人数制をキープしていて、質を保っています。

指揮者のベン・サイモンという人はものすごい才能の持ち主で、

自身もジュリアードを出た実力者。ユーモアにあふれるお話がめちゃくちゃ上手。

San Francisco Chamber Orchestraという

ベイエリアで無料コンサートを提供し続けているプロフェッショナルの

指揮者もしています。

オーケストラメンバー同士の仲が良く、雰囲気もすごくいいです。

 

あとは少し北のサンカルロスという所にあるPeninsula Youth Orchestra、

あるいは南のサンノゼ、San Jose Youth Symphonyなど。

Peninsula Youth Orchestra Home

sjys | San Jose Youth Symphony

 

コンペティションで勝つような実力者は実はあまりオーケストラにはいません。

個人でやっているとか、もう少し小さな室内楽をやったり。

ましてや学校のオーケストラで彼らを見つける事は困難でしょう。

 

スモールアンサンブルの実力派。

Young Chamber Musicians

 

もう少し規模は大きいけど、実力志向。

cal music prep

 

逆にオーディションなしの実力いらずなら。

Palo Alto Philharmonic

PALO ALTO SCHOOL OF CHAMBER MUSIC - Home

ここは大人もOK。ストレスなく音楽を楽しみたい方向き。

 

他にもいくつか団体はあるのですが、代表的なのはこんな所。

クラシックの先生も学校も近隣にはいくつもあります。

かなりのクラシック人口がいるはずなのですが、

日常生活でクラシック音楽は本当に耳にしないですね。

 

学校にはオーケストラがありますが、それ以外で音楽の授業に

クラシカルミュージックが出てくる事はあまりありませんでした。

コーラスでは先生がフォークギターを片手に指導。

楽器の演奏もジャズだったりポップスだったり。

PE(体育)で流す音楽もヒットチャートなどが主流。

学校で流れるのはポップスやロックばかりでした。日本の学校と違います。

 

私は24時間クラシックを流すラジオを良く聞いています。

でも車に誰かを乗せる時は気を遣ってヒットチャートのチャンネルに変え、

隠れクラシックファンとして生活しています。

子供達も車に乗ると当然のようにチャンネルを変えます。

これがアメリカの普通なんでしょうね。

 

こんな環境ですが、

本当にどこから子供達が湧いて出てくるのでしょう?というくらいに

優秀なミュージシャンの卵達がいっぱいいます。

  

注)オーケストラのメンバーはほとんどがアジア系です。9割以上だと思います。

たまに色が白いわ〜と思うとハーフだったり。

ユダヤ系も音楽は強いはずですが、ここでは全然目立ちません。

 

この辺りはアジア系が多いからクラシカル人口も多いんでしょうかね。

当然日本人率も高いです。

でも、大学レベルになるとこの辺りにはあまり有名な所がなく、

音楽を追求したい子たちは東の方の有名どころへと巣立っていきます。