学校の性教育
シリコンバレーの公立学校でも性教育の時間があります。
これこそ、場所によって内容がすごく違ってくるもの。
ラテン系の多いエリアは早熟というか、カソリックが多いと中絶はしないので、
この辺でも託児所のある高校があります。
パロアルトはそれに比べればもっと日本に近いのかな。
学校でコンドームを配るような事は滅多にないと思われます。
ただ世の中の#metooブームと高校のレイプ問題、
中学の親たちによる抗議等が重なって、
今年はかなり慎重に教育を開催しているようです。
まず小学校。
五年生(最終学年)になると男の子と女の子が違う場所に集まり、
それぞれ専門家から話を聞きます。
細かい内容は忘れてしまいましたが、
直前に親たちは講義の概要が説明された契約書に許可サインをして提出します。
なんだか日本で自分が経験したのに似ています。
中学校。
小学校の時よりも少し深い内容の講義が設けられます。
過去にはビデオを見た子が気持ち悪がって
トラウマになったと噂を聞いた事があります。
小学校同様に直前に親たちは契約書に許可サインをして提出。
去年、教材を見た中国系の親が拒絶反応を示し騒ぎになりました。
やめさせるように署名を求める運動が回って来た時に少し内容を見たのですが、
正直、そんなに大騒ぎするような事には感じませんでした。
”男の子に誘われた女の子の反応の描写が良くない、誘惑してる”とか、そんな感じ。
こちらは女性が積極的なのでアジア系の感覚からすると確かに違和感があります。
大半の白人のお母さんたちはケロッとしていて、
”嫌だったら授業を受けさせなければいい”との事。
実際に受けさせなかった親も騒いだ割にほんの一握りだったようです。
でも学校側は真摯に受け止め、その年の講義内容を少し変え、
その後、どうやって教えていくべきかの議論も交わしました。
そして今年は開催前に以前よりも慎重に親たちへの説明がありました。
興味のある人には説明会も設け、
さらに学校の看護師や担当部署の連絡先数箇所分のリストを配布。
気になる内容はこんな感じ。
- Personal values reflection
- Sexual and reproductive anatomy
- Abstinence/not having sex & refusal skills
- Healthy relationships
- Decision-making and communication skills
- Family communication – please be prepared for a homework assignment which involves your child discussing these issues with you
- Sexual safety, consent, and the law
- Birth control, including a condom demonstration
- Sexually transmitted infections, including HIV
- Gender, sexual identity, and sexual orientation
- Body image in the media
全部で8〜10時間かけて説明するそうです。
親と一緒に話し合う宿題付き(どうしたらいいものか、実はドキドキ)
普段から子供と性についての話し合いをするように促されているのですが、
まるで何もしていないのです。
いかに性行動を避けるかではなく、どうやって付き合って行くべきかという前提。
コンドームの使い方までデモンストレーションしちゃいます。
中学生です。はい。
最後のボディイメージというのは
メディアに出てくるモデルに惑わされるな、健康な体型は違うという内容。
こちらでは
プラスサイズという太めな人をモデルに使った広告をちょくちょく目にします。
レオタードや下着の広告でも。この行動は大賛成!
さて、高校。
学校で必須の授業に性教育が盛り込まれています。
その他にも任意参加の教育イベントが時々開かれます。
今年はレイプ事件(と言っても日本の感覚からすると未遂事件?)を反映してか、
全員参加の啓蒙授業が特別に設けられました。
さらに保護者に向けて大掛かりな勉強会も開催。
300名以上が座れるシアターを2日間予約して
ティーンエージャーに向けてどんな行動をすべきか学びます。
これがそのポスター。
まるでタレントのように写真の出ている人が性教育の専門家です。
無料ですが、チケット予約をして参加します。
ディストリクト(教育区)主催のイベントは大抵スペイン語と中国語の通訳付き。
親と子が一緒になって教育すべしという姿勢は見習うべきもの。
こちらは親が子に命令する上下関係ではなく、
親と子が対等で友達に近いと感じます。
我が家はもうすでに遅いのですが、
いつまでも仲が良く、ボーイフレンドやガールフレンドの話を一緒になってしながら
食事をするこちらの親子関係が羨ましいく感じます。