NASCARでのちょといい話
こんなご時世だから、今日もちょっといい話をご紹介。
Little Free Libraryに続いて、カーレースのNASCAR(ナスカー)が舞台です。
NASCARはアメリカで一番のモーターレース。
日本ではF-1が有名ですが、こちらはコースがくねくねしたテクニカルコース。
NASCARはオーバルのサーキットをぐるぐる回るだけ。
だからスピードも出るし、けっこう荒い。とてもアメリカ人向きのレースです。
コロナ禍でいち早くレースを再開し、注目を集めていました。
このNASCARレーサーのBubba Wallace(ババ・ウォレス)は、唯一の黒人ドライバー。
レース復帰の初戦は自身の車を”黒人の命も大切”仕様にカラーリング、
ボンネットには黒人と白人の手が組まれた絵、サイドには#BLACKLIVESMATTERとペイントし、
国家斉唱の際には片膝をついてBLM運動の支持を表明しました。
同時にコンフェデレーションフラッグをレースから無くしたいと訴えていました。
コンフェデレーションフラッグは
南北戦争時代に奴隷支持側の南部連合が使用していた旗で歴史のあるものです。
今でも州の旗に採用されている所があります。
赤地に青いラインがクロスしていて中に白い星が並ぶ、
今のアメリカの国旗と共通したイメージもあり。
が、白人至上主義者のトレードマークともされているのです。
なんだか日本の旭日旗に似てますかね。
NASCARでは観客がこの旗をたなびかせる光景が見られていました。
これを受けてNASCARはコンフェデレーションフラッグの持ち込みを全面禁止したのです!
レースはみんなに楽しんでもらいたい。
一人でも快く思わない人がいるのならレースのポリシーに反するという理由でした。
コロナ禍のアメリカでは結構大きなニュースでした。
物語はまだ続きます。
皆さん、ハンカチのご用意を・・・なーんてね。
続いて迎えた先週末のレース。
ババ・ウォレスチームのガレージに何者かが縄をぶらさげました。
この縄、先端を丸く結んであります。
かつて黒人をリンチした際に使用した首吊り用の縄の形。確実に悪質な嫌がらせです。
首吊り用の縄をぶらさげられた人へのインパクトはどれだけのものでしょうか?
わかってやっている点が許せません。
これに対しババ選手は、自分は戦い続けるとコメント。
その後、レース当日にライバルのドライバー達の取った行動が泣かせるのです。
サーキットには
#IStandWithBubba
ババの味方だよ
とペイントが施されました。
全ドライバーが集結し、
ババの車をガレージからレース位置のフロントグリッドまで皆の手で押し出し
コックピットのメンバーも全員団結して、国歌斉唱を迎えたのでした。
これにはさすがに強気のババ選手も男泣き。
みんなマスクで表情が少ししか見られないのが残念な所でした。
ババ選手はみんなをバックに自撮りをし、”Together””みんなファミリーだ”とツイートしています!
でもこのセルフィー、自分の顔が大きく、他のレーサーは足しか写ってないのよね、
(あ、いけない今日もいい話で終わらせるつもりだったのに)
NASCARはアメリカでも保守的なエリアを回るレースで
割と白人社会です。
BLM運動の影響がこうした所にもじわりと及んでいます。
P.S.
捜査の結果、ロープはドアを引っ張るためのものだったという報道が出ました〜。
でももうここまで書いちゃったし。そのまま掲載します!
これが本当だったらいいですね。
いずれにしても今、人種問題には皆ピリピリしてます。
siliconvalleyway.hatenablog.com