redshirt・一学年遅らせる選択の利点

 生年月日で学年が決められている日本とは違い

アメリカの学校は学年の選択肢に幅があります。

一学年飛ばしてしまったり、逆に遅らせて入学するという事が簡単で

実際に双方のケースが周りにも沢山。

キンダーの同じクラスに4歳と6歳が在籍する事が可能なのです。

州によっては7歳でもOK!

これでも最近は厳しくなったそうで、昔はもっと緩かったらしい。

 

アジア系は学年を飛ばして早く上の学年へ行かせたがり、

逆に白人は一学年遅らせてキンダーを始める傾向があり

どちらもそれなりに功を奏しています。

 

redshirt=赤いシャツ

カレッジの留年選手、来年から試合に出る状態の選手が元の意味ですが、

キンダーを1年待ってから始める事にも使います。 

  

アメリカに来るまで学年を遅らせるなんて考えてみた事もなかったので

数の多さに最初は驚きましたが

子供達の成長をずっと見守って、ようやく親の意図を理解し、感心しています。

 

こちらでは大体5歳でキンダー、6歳で小学1年生というのが普通です。

データによると9割弱の人がこのコースです。

学年を飛ばす人は1%、遅らせる人が6%、

さらに留年する子が6%います。

 

これも渡米して驚きましたが、

1年やって能力が満たないと判断されれば容赦無く留年させます。

キンダーとか1年生の小さな子がもう一度その学年をやり直し

友達はみんな次の学年へ進んで行くのを見るのは

なんとも言えないせつなさを感じました。

 

(という訳で個人的にはあまり飛び級は賛成しません。

小さい時には”うちの子超天才!”モメントが沢山あるものですが、

10歳で神童でも20歳すぎればただの人ってパターンが多いですしね。)

 

逆に1年遅らせた場合、そのメリットは小さい時ほど大きいです。

例えば体育で走らせたり、図工で絵を描かせたりしたら

5歳と6歳では差があります。

 

アメリカの授業は日本のように生徒が先生の話を聞く姿勢ではなく

少なめの人数の中で先生と対話しながら進めるので発言の機会が多くあります。

これも成長の進んだ子の方が有利です。

多くの場合、大きな子の方が得意意識ができやすく、クラスでも堂々としています。

リーダーシップ好きのアメリカ人にとっては嬉しい結果になるわけです。

 

USC・南カリフォルニア大学で

”redshirtは若干有利だ”というリサーチ結果が出たそうです。

この研究で面白かったのは、

”学年を遅らせて自分の子供を優位に立たせようとするのは

アッパーミドルクラスの白人に多い”というコメントです。

USC、お前が言うか!という感じですが。

 

USCは

別称University of Spoiled Children・甘やかされたボンボン大学って感じですかね。

全米を揺るがしたカレッジスキャンダル、

現在まだ裁判中の大学裏口入学事件の真っ只中にある大学です。

こちらにも同じ事を書きました。 

siliconvalleyway.hatenablog.com

 

キンダーを早める・遅らせる・留年率などの統計はこちらで見られます。

https://nces.ed.gov/programs/coe/indicator_tea.asp

 

でもこれ、やる人が少数派だから意味があって

みんなでやったら意味ないですね。