全米で皆既日食

99年ぶりに皆既日食が全米で見られるという事でお祭り騒ぎでした。

それぞれの州が個性的で個人主義のこの国で、

全米が盛り上がるイベントってそんなにあるものじゃありません。

 

シリコンバレーは75%の部分日食です。

それでも各テレビチャンネルは特番で実況中継。

子供は学校なのに、親だけ皆既日食が見られるオレゴンへ行ってる人もいます。

1週間ほど前にはSNSで

日食観察用のメガネが品薄だけど、ここになら後少しあるとか情報が流れてました。

 

子供の頃はガラスにススをつけるとか、下敷きを重ねて見るとかしてたけど、

そんな貧乏くさい事をしてる人はいないみたい・・・

っていうか下敷きは使う習慣がないからこちらの人は持ってない。

 

その代わり、鉄の溶接の時にかぶるヘルメットのガラス部分は

日光を見ても大丈夫なそうで、

色々な人がフルフェイスのヘルメットをかぶった

面白い写真がメディアで飛び交ってました。

 

知人は、日食観察用メガネの規格はサングラス13個分の規格と同等だと主張し、

サングラスを13個重ねての観察です。(本当の話)

 

直前になって中学校の校長先生から、

日食メガネは用意していないとのメールが流れ、かなり焦る!

品薄って聞いてたし。あちこちリサーチするももう売っていない。

ご近所さんをつなぐソーシャルネットワークNextddorにも

メガネを求める投稿が相次いでいる。

事前に用意したものの、後から詐欺商品だったとの報告を受けて困っている人も!

 

念のためアマゾンでサーチ。

場所によっては無料で配っているメガネをまとめ買い&Prime One day deliveryで

高いけど注文ボタンを押す!

しかし、直後にデリバリー予定を見てみたら、ひどい!

ワンデー料金なのに1週間先の配達予定。

慌ててキャンセル!

 

てな訳でススをつけたガラスを子供に持たせる訳にもいかず、

手ぶらで学校へ送り出しました。こんな親ですまないねぇ。

 

パロアルトの学校はそれぞれにきちんとした対応をしてくれました。

まずは事前に日光を直接見ないようにと何度も色々な形で注意があります。

NASAが認めたフィルムを使ったメガネ等を使うようにとの繰り返しのメッセージ。

・・・だから下敷きなんて雰囲気じゃない。我が子にも言えなかった。

 

小学校は最大日食の時間がちょうどスナックタイムの休憩でしたが、これを返上。

この時間帯はPE(体育)も外でやる事を禁止。

先生と一緒に子供達が外に出て観察する事に。

それも時間はあまり長くしないようにとの勧告。

太陽を見て、目を傷めてしまう事のないようにとの配慮なのでしょう。

子供だけで外にいることがないような体制をとっていました。

親のボランティアも召集されています。

 

中学校は全員で観察。

メガネを持っていない子向けに

先生が事前に用意していた大量のメガネを貸してくれました(ありがとー!!)

望遠鏡の準備もしてあったようです。

 

高校はスナックタイムの後、通常授業です。

休憩時刻が日食最大の15分前までなので

そこで楽しめると事前に校長からのメッセージがありました。

Science Departmentでは5台の日食観察用望遠鏡と70個の日食メガネを用意して

見たい生徒に貸し出しました。 

うちの子の先生は授業をせず外で観測させてくれたそうです。

(だって先生だって見たいよね〜。

学校のツイッターにも仲良く観察する先生の姿が上がってました。)

 

いつもは雲ひとつない青空のカリフォルニア。

どういう訳か今日は曇り空。一部で雨のぱらついた所も。

厚い雲を透かして見る太陽は、まるで月のようでした。

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iPhoneで目一杯ズームして撮った写真。

 

曇り空がさらに神秘的な雰囲気をもたらしてくれました。

歩道に落ちる木の影は葉と葉の間が全て三日月の形になって重なり合って風にそよぐ。

なぜか鳥の鳴き声もなく、近所の犬も吠えず、静かなゆったりとした時間でした。

ええ、隣のうちのお父さんが子供に向かって嬉しそうにはしゃぐ声以外は。

 

次はまた7年後にアメリカで皆既日食が見られるそう。

今度は東海岸に行って部分日食ではない完全な日食を見たいな〜。