シャネル・ミラーの育て方(続き)
前回にシャネル・ミラーさんは全米を揺るがした文章力の持ち主で
お母さんも中国人ネットワークでは有名な映画監督だという話をしました。
母親のメイメイさんは中国出身で当初はライターだったそう。
小説を出版した経験もある。アメリカのとある財団の招待で渡米したという有能な方。
文才が遺伝するのかはわかりませんが、母の影響は大きいでしょうね。
歯切れが良く頼もしい感じの人です。トークも笑いがいっぱい。
父親はスタンフォード出身のドイツ人、
そのお父さんはハーバードを出ているんだとか。
シャネルさんの妹はティファニーという名前です。
すごいでしょ。
シャネル・ミラーと検索すると高級ブランドの手鏡が一杯出てきました。
親は高級嗜好、一流好きという事が推測されます。
実際、彼女のドキュメンタリーは
このエリアで成功した中国人にインタビューをするというものでした。
スタンフォードに合格した学生や政治家、オリンピック選手、
NBA選手のジェレミー・リンに関しては本人ではなく恩師にインタビュー。
それもまた有名なWojさん。
(詳しくはこちら)
siliconvalleyway.hatenablog.com
番組の一部がこんな感じ。
母親は自分がタイガーマム*だったと認めています。
(*=これも中国人の本から流行した言葉ですが、超強力な教育ママの事。
この本も面白いですよ〜。)
例えば子供がテストで悪い点数を取ってきたら、
キッチンに行って目の下に水をつけて泣き真似をして悲しい事だと教えたそうです。
逆にお父さんは寛容でお互いの教育方針は一致しなかったと言っています。
子供も大きくなるにつれ、
悪い成績を報告する際に自分に直接言わず、知恵を使うようになってきたとか。
シャネルさんは本が好きで、
子供の頃にトルストイの戦争と平和を読んだそう(凄い!)
のちにシェイクスピアにはまり、UCバークレーのライティングキャンプにも参加。
彼女の文章力の源はシェイクスピアにあると語っていました。
彼女の小学校はフーバーエレメンタリーという抽選で入る勉強優先の学校。
高校はガンハイスクール、大学はUCサンタバーバラで文学専攻。
中国語学校は嫌いだったようです。
意思の強い子で大学は自分で調べて選択、
特別に何か勉強できるプログラムがあって気に入ったとか。
妹のティファニーさんは逆にポーッとした性格で、
GPAも4に届かなかったそうなのでカレッジカウンセラーを雇いました。
カウンセラーにお母さんは一切口出ししないで下さいと釘を刺されて任せた所、
クリエイティブな写真を撮る長所を見出され、
そこからスタンフォードに合格させたそうです。
凄腕カウンセラーですが、現在はもうやっていないとの事。
シャネルさんも絵を描くのでアートセンスのあるファミリーなんですね。
バレエやバイオリン、陸上などの習い事もしていたようです。
教育はすごいです。が、これはパロアルトの普通です。
典型的な母アジア系ファミリーという所でしょうか。
シャネルさんとティファニーさんはとても仲が良く、事件が起きたパーティーも
お酒を飲めない妹さんのそばにいてあげたいからというのが一つの理由だったとか。
ティファニーさんのいる寮でパーティーが開催されたのです。
その日、シャネルさんを車で送って行ってあげたのはお母さんです。
話題になった裁判の陳述書も彼女一人でこもって書いたとか。
シャネルさんは相手がスター選手であるのに対し自分は"nothing"だと
落ち込んでいましたが、文章を書く時だけは
これこそ自分の得意分野だと思って頑張ったと言っていたのを番組で見ました。
裁判は自分たちは主にアジア人、相手は完璧に白人ばかり。
くっきりと部屋が半分にわかれていたと語っています。
担当弁護士も中東かしら、白くはない綺麗な女性でした。
あまりにも軽い判決の直後はみな呆然。
白人サイドですら驚いていたと思うとメイメイさんは語っています。
陳述書は読み上げた直後から反響があり、
どこかに発表するように勧められてハフポストに載せたようです。
その後の狂乱はニュースに出てくる通り。日本でもニュースになっています。
お母さんは”あちこちの大学院が自分の娘を欲しがっている。
今の彼女ならどこにでも入れる”と語っていました。同感です。
でももうこれだけメジャーになれば仕事しててもいいでしょう。
いまだに大学院に固執してしまう母、
タイガーマムの気持ちがすごくよく分かった会合でした。