口達者な子供達を見て思うバディ制度の効果

こちらの子供達は大人と話すのが上手。

全然ひるまずに堂々と自分の意見を言うし、

大人だから子供だからという垣根を作らない感じ。

 

逆に小さな子供の扱いにも慣れている。

反抗期の中学生や高校生だって、小さな子供には優しいし、上手に遊んでくれる。

いつもどうしてかな〜と考えているのだけど、

こちらの環境の差は大きいと個人的に判断しました。

自分は東京で育ったので、そこと比べて。

 

まずこちらは大家族が多い。

そして家族の集まりがとても大切で

サンクスギビングやクリスマスなど親戚中が集まって食事をする事も多く、

必然と3世代くらいの会合が増える。

 

またボランティアなどで大きな子が小さな子を世話する機会が多い。

高校生は授業でボランティアが必須だったりするし、世の中がボランティアだらけ。

サマーキャンプなどはあちこちが沢山の学生ボランティアに支えられている。

泊りがけのキャンプで主要メンバーよりボランティアの人数の方が多い事もざら。

教会などに通っていたら、その中だけでも沢山のボランティアが必要で、

小さな時から世の中に奉仕して育っている。

ボーイスカウトやガールスカウトも同様。

 

学校や習い事は年齢できっちりクラス分けをしないなどの環境面も大きい。

モンテッソーリなどの幼稚園では3歳くらい違う子達をあえて同じクラスにする。

小さな子は大きな子を真似て早く物事を覚えるし、

大きな子は下の子を面倒見る癖がつく。

 

中でもこちらに来て感心したのが小学校のバディ制度。

学年の大きい子が小さい子のクラスを毎週たずねてバディになり、

一緒に勉強する時間があるのです。

うちの子の学校では

5年生はキンダーと、4年生は1年生、3年生は2年生とバディを組んでいました。

一緒に絵を描いたり、本を読んでポスターを作ったり、

二人で写真を撮ってコラージュを作ったり、時には算数を一緒に解いたり。

 

子供の学年が小さい時には突然立派なアートを持って帰ってくるので驚いたら

バディと一緒に作ったとか。

我が子はアートセンスがあるかもと、ぬか喜びさせてもらいました。

幸せな勘違いをさせてくれたバディには今でも感謝してます。

 

このバディ制度、全てが楽しく順風に行くかと言うとそうではありませんでした。

 

うちの子達は人と話すのがものすごく苦手で、

特に小さい時はバディにすら返事ができませんでした。

たまたま相手の親を知っていたので、様子を聞いてみると、

自分の娘はその事ですごく苦労しているし、悲しんでいると言われ、

私がフォローに奔走した事もありました。

 

フィールドトリップで私がシャペロン(運転手&付き添い)をした時に見たのですが、

うちの子のバディが、ちょっとした問題児だった事も。

相手の子は悪い子ではないのですが、知能に問題があり、

先生の言う事をきかずどんどん勝手に動いてしまう。

娘が必死に腕を引っ張っても、相手の男の子は年下でも体がすごく大きくて

振り回されていました。もう少しで湿地帯のぬかるみにはまる所だったり。

私もそばにいたので一緒に体を抑えて、汗だく!

相手の子のお父さんも来ていたのにそばで見ているだけで何もしない(怒)

英語もほぼ通用しなくて(半分は私の発音のせいでしょうが)

大変だった年もありました。

 

バディ制度はこうやって机上では学べないものを学ばせてくれています。

 

学校も社会も同年齢の子だけで一緒にいる時間が短い、

というより年齢の違う子が一緒にいるのが普通な環境。

クラスには1学年飛ばしてる子も1学年遅らせてる子もいます。

 

公立校はほぼ毎日授業でボランティアの大人と接します。

習い事へ行くにも大人が運転する車で行くのが普通だし、

子供だけの時間が自分の頃と比べて圧倒的に少ない。

教室に子供だけで放置してはいけないルールがあるので、

子供だけの空間ができにくいのです。

 

 

日本にいた時は学年が一つ違うだけで、先輩後輩のカテゴリーに分けられ、

相応の対応をしなくてはなりませんでした。

これはこれでけじめがあり好きです。

こちらは同い年の子とだけ接する時間が短いので、

逆に年齢に対して気にする事がありません。

年上だからと臆する事なく対応するように育ちます。

 

こんな環境に加えて、赤ちゃんの頃から人懐っこい笑顔を周りに振りまくDNA。

Show and Tellなどで鍛えらあげれる話術。などなど。

プレゼンテーションが上手な子供が沢山できる訳です。