アメリカの大学受験・・・APテスト

テストネタが続きます。

次なるテストはCollege Boardが主催するAPテスト。

Advanced Placementの略で、一言で言うなら大学レベルの内容のテストです。

 

多くの高校でAPレベルの授業を設けていて、

例えば数学の進んでいる人が自分に合わせた内容の先取りを

高校でできるようになっています。

APテストはこのAPレベルの授業を1年間受けた人が最後に受けるテストで、

年に1回5月に開催されます。

 

テストスコアは1から5までの5段階評価で表され

最高スコアの5と4を取ると

大学に入った時に授業を免除される事があります。

3でもOKな所や、どれも考慮しない大学もありますので、

あまりあてにせず免除になったらラッキーくらいでとらえておくといいです。

 

また大学のアプリケーションにどのAPを取ったか書けるので

良いアピールになります。

 

とある進学塾では

トップ20の難関大学を受けるならAPは7から12個、

セレクティブではない学校でも

主要科目か自分の学びたい分野で1から5個のAP取得を勧めています。

 

パロアルト高校の前校長は

ジュニアとシニアの年に年間2個までしかAPを履修できない

というルールを作ったがために、

勉強する余力のある子も授業に登録できなくなりました。

多く履修しても高校を卒業するまでに4個。

カレッジ受験はシニアがAP試験を受ける前に結果が出てしまうので、

その時点では2個しか取れていない状況です。

 

中には作戦を練ってうまく学校に掛け合い自分だけ多く履修する子が出たり

逆に多く登録したのに学校側から勝手にレベルを落とされたり

ちょっと大変な時期が数年続いたのですが、

校長が変わり、そのルールも変わったために今は少し混乱しています。

 

大学側の判断基準も勉強一辺倒の学生を回避する事があるので、

APの個数を競うのは良くない考えなのでしょう。

 

一言でAPと言っても内容はかなり難しいようで学生たちは結構忙しいです。

うちの子の学校にAP U.S. History、通称A-PUSHという教科があり

1日に宿題が2〜3時間分も出されます。まさにプッシュされるのです。

怖がってみんな取らないのかと思えば、そんな事はなく、

果敢に挑む子が沢山(我が子を除く)!

この先生のシゴキに合った生徒たちのAPテスト合格率は学校で一番の成績を誇ります。

 

なお、学校に授業がなくても塾やオンラインで学習し、

テストだけを受ける事も可能です。

 

APテストのスコア3以上を3つ以上取るとAP Scholarという賞が与えられます。

またその中で成績優秀者には

オーナーや州レベル、国レベルなどの賞が用意されていて、

いずれもカレッジアプリケーションには有利です。

 

APコースは全部で40種類近くありますが、人気や達成率は色々です。

Environment Science・環境科学はAPなのに簡単という前評判ですが、

受験者の半分以上が評価3以下で”使えない”結果が出ています。

Spanish・スペイン語やChinese・中国語はほぼ9割が評価3以上。

これはテスト内容というよりもその言葉を話す人が多く

高得点が出やすいという事かしら?

 

一番人気のある科目はEnglish Language and Composition・英語と英作文で

約58万人が受験したのに対し、

最も人気のない科目は

 

Japanese Language and Culture・日本語と文化!!

 

受験者数はたったの2千5百人弱でした。

日本語ピンチ!下の子が受験するまでなくならないでおくれーーー。

アメリカの大学受験・・・SAT Subject

アメリカの試験対策に必要なテストは種類が多く

最初は名前を覚えるのに一苦労でした。

我が子はPSAT、SAT、そしてSAT Subject、APとテストを受けています。

SATが主要な共通テスト、PSATはPreliminaryのSATという事でSATの前に受けるもの、

SAT Subjectはサブジェクト・項目、教科ごとのテスト、

APはオプションで高レベルのテストの事です。

 

サブジェクトには

Chemistry・科学

U.S. History・アメリカの歴史

Italian・イタリア語

Math Level 2・数学 レベル2

などなど20項目のテストがあり、800点満点で採点されます。

 

大学に堂々と送れるスコアは650点以上、

競争力の高い学校では700点あるいは750点以上と言われています。

 

SATは全部で4時間くらいかかる大掛かりなテストなのに対し、

SAT Subjectは1時間と気楽。

うちの子はMathで予約したけど

当日他の教科に変えてもらって受験する事も可能でした。

 

LIterature・文学など受験者の多い科目はSATと同じ日に年7回試験が開催されますが、

Japanese・日本語のようにマイナーだと年に1回しかチャンスがありません。

またSATテストとSAT Subjectテストは同時に受けられないので

違う月に受験しなくてはなりません。

中には受験に必要な用具を忘れてしまったため

会場へ行ったけど受けられなかったなどと言う子が出てくるので

余裕を持ってスケジュールをたてる必要があります。

 

テストオプショナルとテストスコアが必須ではない学校が増えている中、

このサブジェクトテストは受けなくてもなんとかなる学校はもっと多いです。

一方でこのsubjectを3つ要求する所もあるので、

土壇場で受験できなかった〜と言う事にならないように

なるべく早めに調べておきましょう。

(これは自分への教訓です。

うちの子は志望校が定まらず常に変わり続けたので、

subjectが足りなくて受けられない所があったり冷や汗ものでした。)  

 

数多くあるサブジェクトの中からどの科目を選んだらいいのかというのは

戦略のたてどころ。

理系なら数学と理科の項目を1つずつ要求される事が多いですし、

文系でも数学を送れという所があります。

自分の専攻したい分野の科目を選んで送るのが一般的だと思いますが、

中にはバランスの取れた所を見せるために違う分野を選ぶ人もいます。

 

日本人だからJapaneseを選ぶ人も多いですが、

多くの人がもっと難しいレベルのAP Japaneseのテストも受けているので

Subjectテストの日本語のスコアを送るのに意味があるのかどうかは疑問です。

うちは送りました。。。

しかもAPよりずっと評価が低くて、多くの学校には隠したかったのですが、

間違えて志望校全部に一括送信してしまい、取り消せませんでした(涙)

これも母が子供をせかしてしまったせいであります。。。

 

カレッジボードのウェブサイトにもしっかり

”送ったものは取り消せません”と書いてあります。

皆さんは丁寧に送って下さいね。。。

 

 

アメリカの大学受験・・・SATやACT

アメリカの高校は千差万別で生徒達の取る授業の内容やランクも人それぞれ

GPAという数字で成績を表しますが、ある程度の目安にしかなりません。

そこで学力を判断するのにいい指標となるのが共通テストです。

 

多くの学生がSATかACTというテストを受け、そのスコアを大学に送ります。

どちらも年に7回実施され、

都合のいい時に受験し、納得のいくスコアを選んで送ればいいシステムです。

共通一次で風邪を引いたら一生悔いが残りますが、

これだけ沢山あったら挽回が効きます。

でも悪い点数の言い訳ができなくなりますね。

 

それでも1回目より2回目の点数が下がると良くないとか、

数多く受験しすぎるのも良くないとか色々と噂が飛び交います。

 

大学によってはスーパースコアと言って

すべてのテストの中の教科ごとに最高点だけを送るシステムを取っているので、

多くの学生が2〜3回受けます。

1回目で点数の良かった人はそれで終わりにします。これって格好いい!

大体が高校ジュニアの年のうち、遅くてもシニアに入ってすぐの回で受け終えます。

 

2つのテストの違いは、まず主催している会社が違います。

SATの主催はCollege Board。

以前ブログに書いたPSATテストやSAT Subjectテスト、

APテストなどを手広くやっている他、

CSS Profileという奨学金の申請に必要なもの手掛けていて、

アメリカの大学を受験するなら恐らく関わる事になる会社です。

 

ACTの会社も同じですが、大学側に学生の情報を引き渡しているので、

PSATを受けた後あたりから

大学からの広告eメールや手紙、ハガキ、雑誌やポスターなどが

沢山送られるようになってきます。

ものすごい数であとで本当にうんざりするので、

テスト前に学生の情報を入力するように勧められても

必要事項以外は無視するに限ります。

それでもサマースクールや色々な名簿から

沢山のカレッジ広告をもらう事になるはずです。

 

特にeメールはすごい量で

興味のない所からももらい続けると本当に大切なメールが紛失しかねないですし、

締め切り前になると”deadline, deadline”と膨大なメールが続き

子供にとってもストレスです。

 

SATは1600点満点

ACTは36点満点で評価され

ACTの受験科目にはScience(理科)があります。

SATにはありませんが、試験内容に理科的な質問が入っているそうです。

 

少し前にACTの方が点数が出やすいと評判になり、学生のSAT離れ現象が起きたため、

SATテストは抜本改革をしました。

英語のボキャブラリーなどを簡単にし、2400点満点から1600点満点に変更。

未だにACTの方が簡単だとの声も耳にしますが、うちはSATにしました。

 

その他、問題数や時間配分、数学の出題傾向なども違うので

まずは練習問題などを解いてみて、

どちらのテストでいい点数が出やすいか見極めて受ける事をお勧めします。

もちろん両方受ける人もいます。

ただ、高校生は他にもsubjectテストやAPテスト、

課外活動に学校の成績維持などやる事が目白押しなので、

うまく時間配分をしないといけません。

 

テストはほぼ全学生が受けるために希望の会場がすぐに満室になってしまいます。

ただでさえ朝早くから始まるテストなのに、

会場が1時間もドライブしないと着かないような場所になってしまう事もあるので、

早めにに申し込む事をお勧めします。

 

近頃ではテストスコアを見ない、

あるいはオプションにしている大学も増えてきて、その数は千校を超えてきました。

どちらかというとあまり学力に力を入れていない大学が中心で、

難関校の多くは未だ必須です。

 

子供達は大学を一度に10校くらい受験しますので

彼らが本当にテストから解放される事はなかなかなさそうです。

 

siliconvalleyway.hatenablog.com

 

アメリカの大学受験・・・GPA

大学受験の際にカレッジに送らなくてはいけないもののひとつが学校の成績です。

学生はそれぞれ違う分野の科目を違うレベルで選択しているので

パッと見で判断するのが困難。

そんな時に便利なのが、GPA・Grade Point Averageです。

 

高校の成績は良い順にA, B, C, D ,Fで評価されていて、

さらに同じAでもBに近かったらA-(エーマイナス)、

上の方だったらA+(エープラス)などとつきます。

中には+が3つついたなどと言う人もいますが。。。

Fは不合格です。

 

GPAの計算は

Aを4点、Bを3点、以下2点、1点、0点として足していき、

最後にその科目数で割る。

 

例えば今学期6科目を履修していて、それがオールAだったらGPAは4、

3科目がAで残り3科目がBならGPAは3.5です。

数字でわかりやすく表示されるのです。

 

自分の学力にはどの大学が合っているか調べる時には

大学合格者のテストスコアの平均と

GPAの平均を使ってリサーチする事ができます。

 

手元の資料ではオハイオ大学やアリゾナ州立大学の平均が3.5くらいです。

 

ところで、

簡単なレベルの数学を取ってAをもらっている人と

カレッジレベルの数学を頑張って取ってAを取っている人がいたとして

それらが同じ評価になるのはいかがなものか?

 

という事で登場するのがWeighted GPAです。

標準レベルのクラスのAが4点なら

オーナーやAPなどと呼ばれる難しいコースのAは5点にしましょう。

というルールで計算していくと

普通のGPA(Unweighted GPA)なら4点満点の所、

Weighted GPAだと4.2.だの4.7だのという数字が出てきます。

 

多くの大学が独自の計算方法を使って生徒たちのGPAを計算し直しています。

パロアルトではUCの計算方法にのっとった方式で成績表に出します。

 

ちょっと前にパロアルト高校はUnweightedのスコアを大学に送っていたのに対し

もう一校のガンハイスクールはWeightedのスコアを送っていて

問題になりました。

公立大学では高校からのスコアを計算し直さずにそのまま使っている所があるので

上のコースを履修する人が多い中でUnweightedでは不利だという事でした。

 

また20年前なら生徒の成績は半分がB、Aを取るのは4割弱だったそうですが、

今では半分の生徒がAを取っているそうです。

これも大学受験の過熱を反映しているのかもしれません。

ちなみに高校の成績は相対評価ではありません。

 

広いアメリカの中で学校によって成績のつけ方や授業のレベルは千差万別です。

アイダホの高校とニューヨークの高校ではきっとレベルが大違いでしょうし、

同じ学校でも先生によって差が出ます。

 

GPAだけで学力を判断するのは非常に難しい事です。

大学は他の分野の資料を判断材料にしますし、

学生側もGPAの点数だけで一喜一憂しない方がいいようです。

 

アメリカの大学受験・・・受験で見られること

アメリカの大学の合否判定は非常に複雑でわかりづらいです。

それって裏口入学って言わないの?みたいな事も横行しているようです。

(あ、もちろん合法です。)

日本のようにテストスコアで判定できればスッキリするし、

対策の立て方もはっきりするんですけどね。

学校によって重要視するポイントも違うので、それぞれ試験対策が変わってきますし、

何が正解で、何がいいのかというのは最後までわかりません。

 

ここでは一般に言われるカレッジが重要視する事を羅列してみます。

 

難関コースでの成績

学校の一般的な成績(GPAと言われる数字で表されます)

SATやACTと言った大学入試用の共通テストの成績

生徒が履修している教科の難易度(アメリカの学校のコースは難易度が結構分かれていて

個人の裁量で色々と選択できます。)

入試用のエッセイ(作文)

学校のカウンセラーからの推薦状の内容

先生からの推薦状の内容

クラスランク(成績別や難易度別に分けている学校がある)

受験生の大学や勉強に対する興味

課外活動

APやバカロレアなどの難関テストの点数

面談結果

職歴(ある人のみ)

ボランティア

 

などなど。

 

その他、親族や兄弟がその大学の出身者だと特別な入学枠があり有利です。

 

高額の寄付者ももちろん大歓迎です。

これは10万円、20万円の桁ではありません。

それより0が2つ以上つくといいのではないかと思います。

噂ではスタジアムを寄付したけど、

親族全員を有名大学に入れられなかった人がいるとか。

 

テストスコアや成績などはつまり勉強すればいい訳です。

しかし、この成績は評価の3割分くらいにしかならないと言われています。

 

残りは課外活動やエッセイなど不明瞭な部分です。

人種のバランスなどもあり、受験者の少ない黒人やラテン系は合格率がいいとの話。

白人が半分くらいの大学が多いので、一番割りが悪いのはアジア系と言われています。

ただでさえスコアが高いアジア系枠の中で争わなくてはならない上に、

中国やインドからの受験生の増加率がすごいのです。

ハーバード大学に合格するためにアジア系は何十点もスコアを高く取らなくてはならず

人種差別だと訴訟が起きていますね。

また毎年、満点のパーフェクトスコアなのに軒並み大学を落ちる子の噂を聞きます。

 

バランスの取れた人間が好まれるのはわかりますが、

とにかく合格の判断は不明瞭です。

 

上記の”先生からの推薦状”ですが、少しでもいい推薦状を取るための戦いがあります。

だいたい二人の先生からの推薦状が必要で、

うちの子の学校は一人はもう担当の先生が決められています。

もう一人の先生は理系なら数学や理科の先生からもらうのが理想。

高校には有名な先生もいるので、特定の先生に希望が殺到しがち。

先生によっては何人までと上限を作るので早いうちからコネを作ったり、

直接交渉に出る親もいます。

基本は子供達が確かジュニアの終わり頃に先生に依頼を出す仕組み。

要領のいい子は相性のいい先生を早めに抑えます。

まあ焦らなくても最後には誰かが書いてくれので

推薦状がないという事にはなりません。

 

また課外活動などのコーチや有名人から推薦状をもらって送る人も当然沢山います。

この辺りもグレーゾーンなのですが、

特に強力な推薦状でないのであれば無理して沢山送りつける必要はないと思います。

大学によっては必要以上に送らないでくれと明記している所もありますし、

受ける学校のカラーによるんでしょうね。

 

”受験生の大学への興味”は学校説明会やカレッジツアー、

大学主催のイベントへの参加する事でアピールできます。

早い時期にウェブサイトにアクセスしてニュースレターに登録すると

定期的にカレッジから案内メールが送られてきます。

そのメールのリンクを

どれだけクリックしてウェブサイトを見たかまで調べる調査会社がいるそうです。

またフェイスブックの”いいね”ボタンを押して

カレッジの情報を集める事も大事らしいです。我が子はまったく無関心ですがね。

 

”課外活動”と一言ありますが、これはかなり大事です。

例えば学校のクラブで何をやっていて、どのレベルなのか。

マスクラブやロボティクスなどパロアルト高校は全米レベルまで行くのですが、

そういう活動はすごくプラスです。

スポーツでも優秀な子には直接カレッジからスカウトの声がかかります。

学校でやっていても、学校外の団体でやっていても

州レベル以上の成績を収めていれば願書に堂々と記入できます。

音楽で国際コンクールに出るような子は、音楽大学でなくてもウェルカム。

どんな分野でも秀でた人は受験に有利なので、

シリコンバレーでは親たちが躍起になって小さい時から英才教育を施しています。

これはこれで別のブログができるほど、壮絶な物語が沢山!

どこの大学からも声がかからなかった人は

積極的に自分のビデオなどを送り優秀さをアピールします。

 

”面談”というのも黙っていたら誰も何も言ってきません。

親切な大学は案内をくれますが、それも自分から予約を入れに行くのが普通です。

こちらでは言われてもいないのに、

受験生自らカレッジに連絡して面談を申し込んだり、

卒業生に会ってもらったりして自分をアピールしています。

子供の友達のお父さんやお母さんはこの面接官のボランティアをやっています。

是非ともうちの子と面談をしていいリポートを大学へ送って欲しかったのですが、

いずれも有名校すぎてチャレンジできるレベルではありませんでした。残念!

全員がやっている訳ではありませんが、やっている子は有利だと言われています。

 

雑誌に書いてあった事ですが、

親の資産情報も参考にする所があるようです。

年間5万ドル以上かかる授業料を払えるかどうかの判断材料にするために

税金の情報や家の資産価値などを見るそうです。

実際、我が子のアプリケーションでも大学によっては

持っている車の年式やタイプ、ローンの状況、預貯金額などを入力させられました。

 

その他、受験生のフェイスブックやインスタグラム、

ウェブサイトなどもリサーチする事があるそうです。

親だって見られる可能性はありそうですね。

 

大学によって大事なものは違いますので一概には言えませんが、

公立大学は割と事務的でGPAなどが大きな判断材料。

私立はもっとじっくり時間をかける所が多いようです。

エッセイが大事と言われていますが、

これってつまりは成績以外の要素で変わるよ〜不明瞭だよ〜って意味だと思ってます。

アメリカの大学受験・・・まずはざっと大学を分類

アメリカで大学を受験する。

これほど壮大なテーマが過去にあったでしょうか?

シリコンバレーに越して来てからすぐに意識した大学受験ですが、

いまだに世界が広すぎて理解できずにいます。

 

そうこうしてる間に上の子が受験の年を迎え

間も無く願書を提出し終える最終段階に入ってしまいました。

多くの大学が1月1日締め切りなのです。

締め切りギリギリで動く子供は今必死!

 

多種多様すぎてちっとも理解できなかったこの分野について

いくつかの分野に分けて少しずつ紹介していこうと思います。

 

まずは一口に”大学”と呼んでいる学校ですが、

アメリカには5千校ほど存在します。

(公式な統計は2005年のもの、現在では5千を超えているようです。)

それぞれが個性的なのはいうまでもなく、規模もけっこう大きいです。

日本と大きく違うのは、基本的に学生は大学内あるいは近辺に住んで、

24時間をそこで過ごすという事。

学校がただ授業を受けに行く場所なだけではなく、

生活をする場でもあるという事です。

辺りには何もない荒野にポツンと大学があって、

その中には小さな都市が存在していると呼べるような場所もあるのです。

 

日本で私は自宅から大学に通い、自分が特に少数派だとは思いませんでしたが、

アメリカの場合、大学生は家の外に出て、大学の寮に入るのが多数派です。

だから大学選びも偏差値で決めるのではなく、

文化や学校のカラーのようなものも大切になってきます。

ウォーリーを探せじゃないですけど、

自分に合った学校を探すのは本当に大変な事です。

 

まず大きく分けると

公立校と私立校。さらに営利校と非営利校があります。

 

4年制と2年制があり、その他に大学院があります。

4年制の方が2年制よりもいいのかというとそんな事はなく、

2年制カレッジで超優秀な学校がいくつもあり、

多くの学生がハーバードのような有名校に編入していきます。

 

我が子のように将来への意識が未熟な子は、まずは2年制カレッジで

十分成長してから4年制へ編入するという手も向いています。

 

公立校には国立と州立があります。

 

国立は軍事学校の12校。

日本人にはおおよそ馴染みがありませんが、ここに通いながらお給料をもらえますし、

ここから有名大学に有利に編入する人もいますので、

アメリカ人にとっては重要な選択肢のひとつだと言えます。

 

州立大学は各州にあります。

カリフォルニアは有名なUC大学。UCLAやUCバークレーは難関校です。

さらにその下にはState University・ステートユニバーシティ

Community College・コミュニティカレッジがあります。

コミュニティカレッジは希望すれば誰でも入学する事ができ、

社会人や主婦、日本からの留学生も多いです。

アメリカでは誰でも通おうと思えば大学に通える訳です。

 

公立校は地域と密着していますので、州内に住む人間は学費が安く設定されています。

またELC (Local Path)と言って

カリフォルニアの高校でトップ9%以内に入る成績をおさめれば、

UCのどこかしらの学校に入れる事が保証されています。

そして確かトップ30%がステートユニバーシティへの保証。

これらの生徒へは学校から秋か冬くらいに連絡が事前に来ます。

 

またコミュニティカレッジできちんとした成績をおさめれば、

UCのトップを除く6校に保証つきで編入できる仕組みもあり、

15%ほどの学生がこの制度を利用してUCに編入していくそうです。

 

大学は学費が高いので、コミュニティカレッジから編入すると

最初の2年分安くあげられるというメリットがあります。

UC以外の私立校へ編入する人も多いです。

 

私立大学はほんとうに多種多様です。

有名なのは比較的規模の大きな総合大学。

規模が小さいとリベラルアーツ校と呼ばれ、ここを熱心に推薦する人も多いです。

さらに二年生のジュニア・カレッジ、

医学やアートなどの専門大学、

宗教に特化した大学や黒人中心の大学、学校ごとに得意分野も様々です。

 

シリコンバレーだったら有名なのはまずスタンフォード大学。

パロアルト大学という小さな大学もあって、心理学などが有名。

ちょっと前にタイムマガジンの表紙を飾った女性

(米最高裁判事候補による性暴力を議会で告発した人)は

この大学で教鞭をとっていました。

 

富裕層には公立に対する抵抗?があって、私立を優遇する風潮も感じますが、

我が家は公立も私立も両方受験しています。

Fundraise・・・個人の寄付でどの位の額が集まるのか?

学校は冬休み!これから2週間はホリデーモードでみんなハッピーに見えます。
 
クリスマス休暇に入る前に
お世話になった人や先生、友達などにギフトを贈るのがこちらの習慣です。
 
本番のクリスマスには親戚から色々とギフトが送られ、子供達は物にあふれます。
親がギフトを買う余裕のない恵まれない子たちへの寄付をあちこちで集めますが、
新品の素敵なおもちゃをきれいにラッピングしてあげるのが標準です。
うちは贈り物をする習慣がないので、
我が家の子供達にも恵んでくれませんか?という心境になります。
 
宅配便の量が一気に増え、あちこちで盗難も発生します。
物に溢れるこの季節、一体どれくらいの額が行き交うのかちょっと検証してみました。
 
先生へのギフトは人それぞれまちまちです。贈らない人もいます。
 
今年、うちは高校の先生に大学受験用の推薦状を書いてもらったので、
特別に贈り物をしました。
(これは受験する学生は全員やってもらっている事で、先生の業務の一環です。)
周りに聞いた所、25ドルくらいのギフトカードで十分との事なので、
同じくらいの額でチョコなどを買いラッピングしました。
チョコレートが子供の希望だったので。
 
クラスがあって担任が決まっている小学校では
担任とエイド(補助)の先生へギフトを贈っていました。
class mom(クラスマムという学級委員の親バージョン)がみんなに呼びかけて
寄付を募る事が多く、大体みんな20ドルくらいを渡していました。
生徒は20数名いますから、9割がたの親が寄付して
500ドルくらいのギフトカードをこの時期に贈る事が多かったです。
 
ガーデナー(庭師)やベビーシッター、家のお掃除に来てくれる人たちにも
チョコレートなどのギフトを贈る人が多いようです。
 
学校のそばの主要な横断歩道にはクロッシングガードと呼ばれる人
いわゆるみどりのおばさん(最近はいないらしいですね)がいます。
これはシティがまとめて派遣してくれるのですが、
大体同じ場所に同じ人が派遣されるので
子供達とも仲良くなりますし、名物的な存在になる人もいます。
 
以前、小学校の有志でこのクロッシングガードにホリデー前の寄付を募りました。
うちの子の学校の目の前のクロッシングガードは初老の女性で、細くて白髪だらけ。
腰も少し曲がってきた感じだし、声も小さいし
なんだかガードというには頼りない感じでしたが、
雰囲気のいい人でいつも一生懸命でした。
全校生徒の親に呼びかけた所
合計で818ドルも集まったのです。本日レートでおよそ9万と千円。
100ドルのギフトカード8枚と暖かい靴下を買って贈った所、
涙を流しながら喜んでくれました。
後日丁寧なお礼のカードを生徒たちに返してくれています。
彼女は今も朝と午後、学校の前で交通整理をしています。
 
少し前ですが、
同じ小学校のcustodian(カストディアン、用務員のようなもの)の
母国フィリピンが台風で大きな被害を受けた時も
学校中に寄付を募るメールが回りました。
その時は2000ドル近く(約22万円)が集まり、
彼は故郷の家の修復ができたとすごく喜んでいました。
 
昨年、大きな火事があった後には
エルカーメロという小学校の生徒たちがファンドレイズをしました。
coins and billsと言って、コインとお札の現金を呼びかけた所、
全部で1707ドル99セント集まったそうです。ほぼ19万円。
これはPTAが被災地に贈りました。
 
小学校の生徒数は大体500名くらいです。
こういったファンドレイズは色々な形でしょっちゅ行われていて、
こちらの子供達は小さな頃からお金を集める事に慣れていきます。
贈与税とかはかからないのか?とも心配になりますが、
この額ならばたぶん大丈夫なんでしょうね。